日本看護技術学会誌
Online ISSN : 2423-8511
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原著
看護初回対話における看護師の関係開始スキルの特徴
武内 和子
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2019 年 18 巻 p. 86-96

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抄録
 目的: 患者と看護師の初回対話における言語・非言語行動の時系列変化から看護師の関係開始スキルの特徴を明らかにする.
 方法: 看護師6名と看護学生6名を対象に同一模擬患者で初回対話のロールプレイング10分間を実施し, 解析用ソフトウエアELAN を用いて言語・非言語行動の時系列変化を10ミリ秒精度で抽出し比較検討した.
 結果: 発話回数・時間, 発話内容の主張の強弱, 身体動作回数の時系列変化で看護師は二谷型パターンのメタ相補性を表し, 学生は平坦パターンを表した. 看護師の同時沈黙は患者に帰属し, 無意味語・動作 (フィラー) の出現頻度は患者に同調する傾向を表した.
 結論: 看護師は複数チャネルの抑揚の共変化で患者の発話を引き込み, 合間の沈黙場面で患者と身体共鳴する援助関係の基本姿勢に戻ることが示唆された.
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© 2019 日本看護技術学会
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