日本看護技術学会誌
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実践報告
クリティカルケア病棟の看護師によるカテコラミン投与時の手動シリンジ交換法の検討
石川 彩実渡邉 順子倉本 直樹
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2022 年 21 巻 p. 1-5

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抄録

 カテコラミンは半減期が短いため血中濃度を低下させないようシリンジ交換を行う必要がある. 本研究の目的は, カテコラミン投与時の患者の血圧によってクリティカルケア病棟の看護師が選択する手動シリンジ交換法について実態を調査し検討することである. 東海北陸地域のクリティカルケア病棟に勤務する看護師にオンラインアンケート調査を実施し, すべての質問に回答した144人を分析対象とした. 医師から指示された患者の血圧目標値から20mmHg以上の場合を高血圧, 20mmHg以下を低血圧とし, カテコラミン投与時の患者の血圧によって1台法, クイック法, ダブル法の中から手動シリンジ交換法を回答してもらった. 結果は, 高血圧時には1台法45.2%, ダブル法33.3%, クイック法20.1%の順で, 低血圧時にはダブル法83.3%, クイック法11.8%, 1台法4.2%の順だった. クリティカルケア病棟の看護師は, カテコラミン投与時のシリンジ交換に伴う血圧変動を最小限にするために手動シリンジ交換法を適切に選択していたが, 看護師の30%以上が高血圧時にカテコラミンが重複投与となるダブル法を行うことが判明した.

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© 2022 日本看護技術学会
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