日本看護技術学会誌
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介護施設における介護職員の喀痰吸引の技術習得状況と研修の受講および失敗やヒヤリハットの経験との関連
佐藤 亜月子
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2022 年 21 巻 p. 15-22

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抄録

 目的:介護施設における介護職員の喀痰吸引の技術習得状況と研修の受講と失敗やヒヤリハットの経験との関連について明らかにする. 方法:介護施設で喀痰吸引の経験がある介護職員に自記式質問紙法を実施した. 結果:有効回答322名. 技術習得状況26項目のうち「できる」と「まあできる」の回答が90%以上であったのは22項目であった. 実施前の全身の観察, 挿入時に対象がチューブをかんだ時の対応は80%台, カーテンなどでのプライバシーの保護, チューブを適切に鼻腔内へ挿入は70%台だった. 喀痰吸引研修の受講と対象の状態を把握し, 吸引の適応を確認, 実施前の全身の観察, チューブを適切に鼻腔内へ挿入, チューブを回転させる, 痰の性状の観察と関連した. 失敗やヒヤリハットの経験はチューブを適切に鼻腔内へ挿入と関連した. 結論:看護職員は研修受講後の介護職員に対して学ぶ場を提供し, 失敗やヒヤリハットの経験を振り返り, サポートする必要がある.

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