2023 年 22 巻 p. 1-8
本研究は, 袖付きプラスチックエプロンにおける2種類の脱衣方法「袖先法」, 「腰先法」による身体汚染の状況を明らかにすることを目的に実施した. ガウンテクニックを既習している看護系大学生19人に, 事前練習を行った後, 2種類のガウン脱衣方法それぞれを実施してもらった. 水様性の蛍光塗料を汚染物質とみなし, 噴霧したガウンを脱衣した後, 蛍光塗料が看護衣および身体に付着した区域を汚染部位とした. 身体を20区域に分けて観察し, 20区域それぞれについて, 2種類の脱衣法による脱衣後の汚染の有無の比較, および2種類の方法における汚染区域数について比較した. その結果, 2つの方法間での汚染区域数に有意な差はなく, 共通して, 左右前腕内側部, 左右手掌部/手背部に汚染を起こす可能性が高いことが明らかとなった. そのため, ガウン脱衣直後に前腕までの範囲の手指衛生を行う必要があることが示唆された.