日本看護技術学会誌
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実践報告
バイオスキンプレートを用いた医療用テープの剥離試験-剥離速度に着目した検討-
上田 ゆみ子酒井田 由紀
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2023 年 22 巻 p. 9-14

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抄録

 医療用テープの使用には, テープテアと呼称される皮膚障害のリスクを伴うため, エビデンスに基づいた剥離手技の解明が望まれる. 本研究の目的は, 被着体にバイオスキンプレートを使用した場合の医療用粘着テープの剥離力を剥離速度別に測定することで, 適切な医療用テープの剥離手技に関する基礎的資料を得ることである. 剥離試験は, 被着体をバイオスキンプレート, 試料を医療用テープ4種, 引張速度を5mm/sec・15mm/sec・30mm/secの3条件とし, 実施した. 4種の試料を比較した結果, ジェントルフィックス, ポアテープNo. 12は30mm/sec, トランスポアホワイトサージカルテープは5mm/sec, サージカルテープNo. 12 (共和) は15mm/secにおいて剥離力が最大値を示した. 本試験では剥離力が最小となる剥離速度とそれ以外の速度において有意な差がみられた. 剥離速度は, テープの特性を考慮して選択する必要があり, 適正な速度で剥離することにより剥離力を小さくできることが示された.

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© 2023 日本看護技術学会
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