日本看護技術学会誌
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原著
部分清拭時のウォッシュクロスの扱い方による温かさ・気持ちよさの違い
山口 夕貴
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2024 年 23 巻 p. 8-17

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抄録

 本研究の目的は, 清拭時のウォッシュクロスの扱い方により, 温かさと気持ちよさに違いがあるのか生理的指標および主観的指標により明らかにすることである. 健康な男女12名を対象に, ウォッシュクロスを巻く方法, 握る方法, 畳む方法で右前腕の清拭を実施した. 測定項目は, 皮膚表面温度, 自律神経活動, 主観的な温かさと気持ちよさ (VAS) とした. すべての方法で清拭前と比較して清拭実施後の皮膚表面温度が有意に上昇し, 巻く方法と畳む方法は清拭後5分まで上昇を維持したが, 握る方法は上昇していない時点が混在した. 清拭直後と5秒後では畳む方法が他の方法より有意に皮膚表面温度が高かった. 温かさのVASはすべての方法で7~8を示し, 方法間で有意差はなかった. また, すべての方法間で自律神経活動の有意差はみられなかった. 3つの方法は, 対象者へ温かさをもたらすことが可能な清拭方法であり, 各方法の特徴を理解して使い分ける必要があると考えられた.

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© 2024 日本看護技術学会
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