2024 年 23 巻 p. 85-95
本研究の目的はPeople-Centered Careとヘルスプロモーションを基盤として作成した便秘改善プログラムの有用性を検証することである. 本プログラムは, 便秘改善に向けて看護師と当事者がパートナーシップを組み, 初回のweb面談を含めて2週間ごと計4回のweb面談を実施し, 対象者固有の便秘の原因を対象者が主体的にみつけ, 取り組む方法を身につけ, 維持することができるように構成している. 21名のプログラム実施前後の排便状況, 便秘症状 (CAS-MT) , Quality of Life (JPAC-QOL) のスコアを比較した結果, 普通便の平均回数:1.5±1.5対3.2±3.1 (P=.005) , CAS-MT:8.5±1.9対5.2±2.6 (P<.001) , JPAC-QOL:55.3±12.5対43.5±14.3 (P<.001) と改善を示した. また, 腸内環境を推定する尿中のインドキシル硫酸値も87.3±62.9対52.1±32.8 (P=.026) と改善を示した. 以上より, 本プログラムは, 排便状況, 便秘症状の改善, QOLの向上, 腸内環境の改善をもたらすことが示された.