日本看護技術学会誌
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実践報告
輸液剤の血管外漏出について
─1総合病院における実態調査─
小坂 未来武田 利明
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キーワード: 輸液剤, 血管外漏出, 点滴
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2005 年 4 巻 2 号 p. 32-37

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抄録
 血管外漏出に対する対応は看護師によって異なっている. ケア上の問題点や課題を明らかにするため, 実際に臨床現場でおきている血管外漏出について, 実際の臨床現場での実態調査研究を実施した. その結果, 血管外漏出がおきる頻度の高い点滴製剤は電解質輸液製剤であること, 輸液剤の血管外漏出に対しては無処置または冷罨法の施行が行われており, 冷罨法としては冷湿布の貼付が行われていること, 輸液製剤単独でも血管外漏出が起きると腫脹や発赤などの症状を呈することが明らかになった. また, 輸液の血管外漏出に対する認識やケアの質に看護師間の差があることが明らかになり, 問題点であると思われた.
 輸液の血管外漏出による生体内での反応が未だ明らかにされていないため, 適切なケアを選択することができないと考えられ, 血管外漏出による生体への影響を検索する必要があると考えられた.
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© 2005 日本看護技術学会
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