抄録
在宅療養者 6名を対象に漸進的筋弛緩法 (PMR) を 1日 1~ 2回,2週間実施し,心拍変動,自己記入式睡眠評価尺度 (SEQ),短縮版 Profile of Mood States (短縮版POMS) を主な指標としてPMR習得過程におけるリラックス反応を生理心理的に評価した.
在宅療養者への PMRの習得過程において,心拍変動スペクトル解析から求めた副交感神経活動指標の増加が PMR実施初回,PMR習得 1週間後,2週間後で認められた.また,短縮版 POMSの得点は,初回から 2週間後のいずれにおいても実施後にわずかではあるが増加し,SEQにおいては1週間後から 2週間後にかけて得点の増加する傾向が認められ,PMRの睡眠促進効果が示唆された.PMRにより副交感神経優位な状態が惹起され,生理心理的機能の休息傾向が導かれることが示唆された.