九州大学大学院医学研究院ウイルス学
2024 年 29 巻 1 号 p. 49-53
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麻疹は麻疹ウイルス感染により引き起こされる急性熱性発疹性疾患である。安全で効果的なワクチンがあるにもかかわらず、依然として発展途上国を中心に流行しており、世界で年間10~20万人が死亡する。麻疹ウイルスはまれに脳に持続感染し、数年後に致死的な脳炎(SSPE)を引き起こすが、不思議なことに野生型の麻疹ウイルスは神経系での増殖能をもたない。本総説では、麻疹ウイルスが神経増殖能を獲得する進化メカニズムについて、最新の研究成果を紹介したい。
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