2025 年 30 巻 1 号 p. 136-141
2013年ごろから始まった梅毒の流行は、半世紀に一度の大流行期である。梅毒は近年、身近な感染症であり、積極的に梅毒抗体検査を行う必要がある。症状がない潜伏期も治療対象である。さらに、女性の梅毒患者数が増加したことに伴って、梅毒合併妊婦が増加し、母子感染(胎内感染)による先天梅毒も増加している。母子感染は後期梅毒でも起こりうる点が、性行為感染と異なる点である。先天梅毒の予防のためには、母体に適切なペニシリン剤治療が不可欠である。経口ペニシリン剤による母子感染予防効果は限界があり、最近国内でも使用できるようになったベンザチンペニシリンG筋注の妊婦への投与による母子感染予防が期待される。