日本脳神経外科認知症学会誌
Online ISSN : 2436-0937
意味性認知症15例の検討
長沼 博文
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2026 年 6 巻 1 号 p. 27-33

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抄録

「目的」意味性認知症semantic dementia (SD)は、側頭葉前部の萎縮がみられ、左側の萎縮が強い場合には表層性失読がみられるのが特徴である。今回SD症例の画像所見、臨床症状等を検討した。

「対象と方法」受診患者に対して、神経心理検査、頭部MRI検査、SPECT検査等を行った。

「結果」SDと診断した症例は15例(男性11例、女性4例)で、年令は60〜88歳であった。65歳以下の症例は2例で、1例のみ難病指定となった。MRI検査で左側頭葉前部萎縮が優位であった症例は5例で、左右同程度萎縮は3例で、8例中7例で表層性失読を認めた。right SDとされる右側頭葉前部萎縮が優位であった症例は7例で、表層性失読は認めなかった。SPECT検査での解析ではMRIでの萎縮部位と同じ部位に血流低下が認められた。

「結論」SD症例のおよそ1/3は65才以上で発症すると報告されている。我々の症例では65才以上は14/15例と多かった。SDは難病指定となっているが、「高齢での発症が少ないことから、発症年令65歳以下を対象とする」とされており、多くの症例が難病指定とならないことが問題点である。

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