2018 年 23 巻 1 号 p. 45-48
動脈瘤塞栓術を行った228例を年齢,性別,部位,大きさ,破裂の有無,重症度,ネック形成バルーンの拡張の有無と合併症との関連性を検討した.虚血性合併症は10例(4.3%)で出血性合併症は6例(2.6%)であった.虚血性合併症はバルーン使用例で有意に多く永続的合併症は認めなかった.出血性合併症は全例破裂例に生じ死亡と永続的合併症を1例ずつ生じた.フィニッシングコイル挿入時に出血した2例はネック形成用バルーンの拡張のみで止血し良好な転帰であった.全体の合併症は少なく要因としてアルガトロバンの投与や慎重な手術操作が挙げられるが出血性合併症の転帰は不良でありさらなる手術手技の向上が望ましい.バルーン拡張例では抗血小板薬やヘパリン化の強化などを行うべきと考えられた.