2020 年 14 巻 p. 29-35
本報告の目的は、知的障害特別支援学校と小学校との間で行われた学校間交流を取り上げ、知的障害特別支援学校児童と小学生の間の交流活動への支援を通して、活動の共有に至った要因について検討することである。本報告では、学校間交流を計4回実施し、知的障害特別支援学校に在籍するA児と交流相手であった小学生の児童を分析対象とした。分析はVTR記録を使用し、活動共有時間とエピソードを取り出した。なお、学校間交流は、1回目、2回目と3回目、4回目では交流相手が異なっている。その結果、活動内容を継続し、支援者である教員が小学生に関わり方に関する助言をすることで、双方にとって意味のある活動になりうることが考えられた。今後、交流学習を通した障害のある児童に関する効果をさらに検討していくことが課題といえる。