榮養・食糧學會誌
Online ISSN : 1883-8871
ISSN-L : 0367-0554
冬期及び夏期における各種疏菜類のビタミンC含有量の變化
上西 薫坂本 貞人
著者情報
ジャーナル フリー

1949 年 1 巻 5-6 号 p. 179-182

詳細
抄録

○パームチツトを用いるビタミソ定量法 (藤田秋治, 日新醫學。35巻, 10號, 473. 昭23. 10月)
パームチツトを使期してビタミソ定量を行う從來のHennessyの方法に多少の改良を加えた定量法を考案した。改良の主鮎は赤血懸とNaOHの母を適當に濃度を加減する事により螢光の影響が著しく減ずる事, メタ燐酸を適當に用いる除蛋白法によわ盲螢光物質の除去が容易となる。盲螢光の除去の完全に出來ぬ時, 亜硫酸ソーダによってB1を壊し, 盲螢光を残して赤血璽の影響を主實驗と盲驗とで同一ならしめ測定を精確に行ら事が出來る。コカルボキシラーゼの水解を高濃度の酵素を用い短時間に完了させ得ること等によって血液, 動植物組織中のビタミン定量を容易に行う事が出來る。(原)
○體質について (大里俊吾, 日本臨床, 6巻, 6號, 1, 昭23, 6月) 日本人の體格, 體型と機能 (肺活量, 體力檢定) 體格及體型の成生等に關し縷述説明し, 著者の體質観として, 體質とは遺傅的に生れ, 環境に育れた「人」の形態的 (解剖的) 機能的 (生理學的, 生化學的, 心理學的) 要素よりなる有機的全體であって, 固體を特徴づけ固體生活史において一貫せる底流をなせるものであると結論する。(原)
○ゼラチン溶液によるネフロ一ゼ (Skimsnes, O, K, Surg. etc. 85 (5) 553~571, 1947, Nov, 日本臨床, 海外文献, 6巻2號, 昭23, 2月)
失血の補給用としてゼラチン溶液の注射が行われているが, 之によってネフーゼが起った例が21例あつた。
悪性腫蕩手術後ゼラチソ8%の生理食監水通常8ccを用いている。臨床的には症状に變りなく血液及び尿の所見に異常はなかつた。解剖により曲細尿管主部の糸毬體に近い部分に水様腫脹が認められた。恐らく此變化はゼラチソ溶液が, 細尿管で滲透作用によつて細尿管上皮細胞の水を吸出すためであろうと思われる。心臓及び腎臓に疾患のある者にはゼラチソ溶液を用いる事を警戒せねばならない。(原)
〇葉酸の臨床懸用 (醫學のあゆみ, 6巻3號167, 昭和23, 9月)
葉酸 (テロィルトグルタミン酸) が有効な疾患として血液病 (悪性貧血の血液症状, 小兒のメガロプラスト性貧血, 不應牲のメガ費プラスト性貧血, 熱帯性大細胞性貧血, 榮養性中性好性細胞減少症及び榮養性大細胞性貧血) 胃腸管碍害 (熱帯性又は非熱帯性スプルー, セリアツク病, 慢性下痴を含む) がある。

著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事
feedback
Top