栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
食品蛋白質に關する研究 (第2報)
食品の塩酸加水分解に際し, 共存する炭水化物が測定するメチオニン値に及ぼす影響
長沢 俊三高木 兵治
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1958 年 10 巻 4 号 p. 168-171

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抄録
4種の炭水化物を数種の割合でカゼインと組合せ, これを塩酸加水分解 (2N-HCl, 5lb. 5時間) しメチオニン喪失量を, Microbio-assayで測定した。その結果, 澱粉, デキストリン, 葡萄糖は蛋白質との共存量が増加すれば, 或る一定の傾向をもつてメチオニンの測定値が低下する。すなわち, カゼインに対する炭水化物の共存率 (x) とメチオニンの喪失量 (y) の関係は, 次式の通りである。
馬鈴薯澱粉 y=100.02-0.26x
デキストリン y=99.24-0.44x
葡萄糖 y=96.84-0.52x
又, 繊維素の存在は, この分解条件下では, メチオニンの喪失に及ぼす影響は, 全く認められなかつた。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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