栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
ビタミンA強化味噌に関する研究
稲垣 長典膳 恵子
著者情報
ジャーナル フリー

1958 年 10 巻 6 号 p. 296-297

詳細
抄録

味噌のA強化方法としては種付麹に直接Aを噴霧した場合と麹と蒸大豆と塩を混合する際に噴霧した場合とについて行つた。
噴霧に使用したA液はA-palmitateをSpanに溶解 (1cc中20万単位) したものを用い, A単独の場合とB2併用の場合とについて行つた。以上の如くして常法により製造した味噌のA貯蔵試験の結果3ヵ月後にて種付麹に直接A噴霧したものは7.8%, 仕込時に噴霧したものは11~12.9%の損失であつた。損失率が稍々高いようであるが, これは時期的に7月~9月の夏期であつたためと考える。更に長期 (1ヵ年) 貯蔵にては夫々13.5~18.5%, 21.5~24.5%の損失であつた。この場合はいずれの場合でもB2と併用した方が損失率は少ないようである。更にTBA値との関係は前報同様TBA値が上昇すればA損失率も大となるが, この場合この原則は大体4ヵ月まででその後はあてはまらない。尚味噌2gを使用してTBA試薬5ccを使用した場合のTBA値が1以上になるとAの破壊が進むようである。

著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事
feedback
Top