栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
酸化型ビタミンCの分解に関する研究
(第1報) 煮沸の際の分解について
一瀬 義文馬場 輝子
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1958 年 11 巻 2 号 p. 75-77

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抄録

(1) 酸化型ビタミンC (DAA) 溶液をpH夫々1.0, 2.0, 3.2, 4.0, 6.4, 7.2, 8.2に於て夫々5, 10, 30, 60, 80分間煮沸した際のDAAの残存率を求めた。
(2) pH1-3.2に於ては各煮沸時間における残存率は略等しかつた。
(3) pHは何れの場合にも煮沸時間の永くなるにつれて残存率は著しく減少した。特にpH6。4-8.2の場合は5分間で著しく減少し10分間では0となつた。
(4) DAA煮沸の際従来AAの酸化防止に多少分効とされたもめの中, チオ尿素, NaCl, ビタミンB1等はpH1-3.2において残存率5~7%程度有効であつたが蔗糖ビタミンB6等は殆んど影響なく卵白溶液システイン溶液等は却つて分解を促進した。
(5) pH64の場合には実験した諸物質中にはDAAの煮沸の際の分解を防止する効果のあるものは見出せなかつた。
(6) キヤベツのDAAを煮沸した際には前記のチオ尿素, NaCl, ビタミンB1等は分解防止の効を認めなかつた。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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