1959 年 12 巻 4 号 p. 261-264
1日の献立を調理した際のV. Cの損失程度を明らかにする目的でDNP法により調理前後の食品の有色浸出液のTAA, DHA, AA, DKGの測定法を検討の上, これらの分別定量を行つた。その結果, 中産際級献立の調理前生材料のAA, DHA, DKG値に対し, 調理後のAA値は60%, DHAは180%, DKGは160%程度の値を示し, 有効V. Cにおいては調理後の前の値に対する割合は75%で, 調理操作で約25%損失することが認められた。また調理後の有効V. C値は食品分析表から求めた計算値の約50%に相当した。一方生活保護世帯献立調理後の有効V. C値は (この場合はDKG分別定量をしてない) 計算値の約70%をしめした。
本論文の内容は日本ビタミン学会例会 (31年10月), 日本家政学会総会 (32年10月), 栄養・食糧学会総会 (34年4月) において発表した。