栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
各種食品中の呈味成分に関する研究 (第4報)
たこの呈味成分について
武 恒子大塚 一止
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1965 年 18 巻 4 号 p. 286-289

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抄録
たこ (乾物) の呈味性がいかなる成分から構成されているかを酸加水分解した試料について検討した。その結果を要約すると,
1. 核酸関連物質としてアデニン, アデノシン, イノシン, ヒポキサンチン, 3′および5′-CMP, 5′-AMPが認められたがこれらはたこの旨味を決定する成分ではない。
2. 有機酸類はコハク酸を主体とするが, 含量は極めて少量で, たこの旨味を決定する成分ではない。
3. グルタミン酸, グリシン, リジン, バリンなどのアミノ酸類が主としてたこの呈味成分を構成しており, またアミノ酸類の緩衝能が大で呈味性にかなり寄与している。
終わりに臨み, 種々ご指導を賜わりました, 新潟大学農学部農博・玉利勤治郎教授に深謝いたします。また試料のマダコをご恵与下さいましたキッコーマン醤油関西工場長・山口正一郎氏にお礼を申し上げます。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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