栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
クロレラの利用に関する研究 (第1報)
クロレラの有機酸抽出液について
岩田 伊平成川 一郎
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1966 年 18 巻 5 号 p. 352-356

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抄録

クロレラ蛋白質の一利用法として有機酸抽出法を試み, 抽出条件, 抽出液のアミノ酸組成を明らかにし, 5%有機酸抽出液を投与した動物実験を行ない次の結果得た。
1. 5%以上の濃度の有機酸 (クエン酸とリンゴ酸の同量混合) 抽出では, 100℃数時間の煮沸によりクロレラ総窒素の60%以上が抽出される。10%の有機酸による5時間以上の抽出では, 抽出可能の限界とみられる約75%に達する。低濃度有機酸溶液中での煮沸では, 窒素の抽出率は極めて低い。
2. 5%有機酸抽出液のアミノ酸組成は原色クロレラのアミノ酸組成とよく類似しており, リジソ含量の比較的多いという特長は失われていない。
3. 5%有機酸抽出液を毎日5mlずつ7週間投与した白鼠の生長は極めて順調で, 肝, 腎, 脾の各臓器の顕微鏡観察でも特異的な変化は認められなかった。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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