栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
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大豆ステロールおよびコーンステロールの血漿および肝臓コレステロールレベルに及ぼす効果
道 喜美代中山 徳子江沢 郁子
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1966 年 18 巻 6 号 p. 436-439

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抄録

植物油の高コレステロール血症白鼠の血漿および肝臓コレステロールレベルを低下せしめる効果はリノール酸グリセライドとは別に, 不鹸化物区分にあり, 今回, 大豆油および, コーンオイルの不鹸化物区分よりそれぞれ結晶性ステロールを得たので, これらにつき, 血漿, 肝臓および, 副腎コレステロールレベルに及ぼす効果を試験した。
なお, これら結晶性ステロールはガスクロマトグラフィーの結果, 大豆ステロールはCampesterol 21.5%, Stigmasterol 33.5%, β-Sitosterol 45.0% よりなり, コーンステロールはCampesterol 20.9%, Stigmlasterol 7.3%および, β-Sitosterol 67.3%からなることを認めた。
高コレステロール血症を起こす飼料で飼育した成熟雄白鼠において, 7.5%リノール酸グリセライド区分単独投与群 (I) に比し, 0.2%大豆ステロール添加群 (II) および, 0.2%コーンステロール添加群 (III) は殆んど同程度に血漿, 肝臓および, 副腎の総コレステロール, エステル型コレステロールレベルにおいて, 何れも顕著な低下効果が認められた。なお, これら植物ステロールの効果はそれらの組成をなすβ-Sitosterol単独の効果と考えるより, Stigmasterol或いはCampesterelも同様の効果をもつのではないかと考えられる結果を得た。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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