栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
食品の呈味成分に関する研究 (第4報)
コイ肉アルカリ性Phosphataseの分離精製ならびに性質について
山本 喜男遠藤 金次門脇 蓉子岸田 比出子
著者情報
ジャーナル フリー

1967 年 19 巻 6 号 p. 385-389

詳細
抄録
コイ筋肉中のIMP分解に関与する酵素について筋肉細胞内分布を調べ, その酵素を精製し, さらに2, 3の性質を調べた結果は, 次のとおりである。
1) 本酵素活性の大半は, 筋肉細胞内のミクロソームと考えられる特定顆粒中に分布する。
2) 本酵素を超遠心分離, ブタノール処理, DEAEカラムクロマトグラフによって精製した。その結果416倍 (区分I) 264倍 (区分II) に精製された2種の酵素がえられた。
3) 精製酵素すなわち区分IおよびIIは, いずれもpH7.5付近に至適pHを有する5′-Nucleotidaseである。
4) IMPを基質とした場合のpKmは, 区分Iでは4.31区分IIでは4.57であり, 区分IにのみMg++存在下でpH-活性曲線のpH 9付近に変曲点がみられた。これらの点をのぞくと両酵素の性質はかなりよく類似しているものと考えられる。
著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
次の記事
feedback
Top