栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
タンパク質・アミノ酸栄養と放射線障害について (III)
タンパク質のアミノ酸構成の放射線障害による造血機能低下に及ぼす影響について
田中 聖英
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1969 年 22 巻 3 号 p. 193-197

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抄録
アミノ酸欠乏の一般的影響としては, 体重減少, 造血機能の減弱, 貧血, 血清タンパク質減少などの現象としてあらわれ 一種の必須アミノ酸が欠けても食欲減退などの影響が現われてくることは知られていることであるが, 放射線障害とアミノ酸栄養についてみても放射線障害時およびその回復期ともにアミノ酸栄養のバランスが重要であり, 特にトリプトファン, ロィシン・イソロィシン, バリン, ヒスチジンなどが造血機能の回復に重要な役割を果たしているであろうという結果を得た。核実験による放射能被曝および原子力平和利用の発展に伴う事故などによる被曝を無視できない今日, 食生活においても良質のタンパク質を摂るようにつとめることは体位向上の目的のみならずこの意味においても留意すべき問題であると思われる。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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