抄録
世界19カ国の食糧消費パターンについて, 数値群パターン解析法を適用し, 以下の結果を数量的に明らかにした。
(1) 19カ国のパターンは2つの群に分けられる。第1の群には主として欧米諸国が属し, 第2の群には主としてアジア諸国が含まれる。
(2) 日本のパターンは第2群に属しタイワン, トルコ, イタリアの順にパターンが似ている。日本のパターンがもっとも似ていない国はウガンダである。
(3) ここ数年, 日本のパターンは変化しており, 第2群のパターンから離脱しつつあるが, その移動方向は必ずしも欧米諸国のパターンの方向ではない。
(4) 日本のパターンの変化の要因となっているのは, 主として野菜・果実, 食肉, 卵, 油脂の増加である。