栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
穀類の水中貯蔵に関する研究 (第2報)
積層フィルムの試作とその性質
満田 久輝久我 睦男河合 文雄
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1969 年 22 巻 8 号 p. 574-577

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抄録

前報で強靱さと耐水性を確認したナイロン (延伸) フィルムの気体遮断性と湿気遮断性を調べた。その結果, 気体遮断性においてはプラスチックフィルム中では比較的優れているが, 湿気遮断性において劣っていることがわかった。
しかしながら, ナイロンフィルムを基礎素材とし, ポリ塩化ビニリデン樹脂またはアルミ箔をコーティングあるいは貼り合せたものに, ポリエチレン (低密度) をラミネート加工した積層フィルムでは湿気遮断性も完全確立された。このようにして穀類の水中貯蔵を行なうに必要な先述の諸条件を備えた包装材料を得ることができた。これらの積層フィルムはともに防湿性のみならず多くの点で単一素材よりも優れた性質を示すことが判明した。
したがってこれらの積層フィルムを以後の実際的な穀類の貯蔵実験に供することにした。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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