栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
米の理化学性に及ぼす外因の影響 (第2報)
機械脱穀籾の貯蔵
岡村 保松久 次雄南部 朔郎斎藤 利晴
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1970 年 23 巻 5 号 p. 362-365

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抄録

脱穀機の回転数・脱穀調整の方法等の異なる籾米の貯蔵性をしらべた。脱穀機の回転数は370回転/分, 550回転/分, 640回転/分とし, 室温貯蔵区 (温度10~16℃, 関係湿度40~50%) と高温多湿区 (温度23℃, 関係湿度80%) にわけ, 貯蔵試験開始後50日および130日後にpH, 比電導度, 総糖量 (フェノール・硫酸法による), 水溶性乾固物量 (岡村法2) による) を調べた。結果は下記のとおりである。
pHおよび比電導度の数値をみると, 脱穀機の回転数が大である場合, および貯蔵時の温湿度が大である場合は, pHは小に, 比電導度は大となり, いずれも著しい劣変を免れなかった。
一方総糖量および水溶性乾固物量にあっては, とくに脱穀機の回転数による影響が大きく, 貯蔵温・湿度の影響もはっきりとあらわれた。
また生脱穀に比べ半乾後の脱穀は, 米の理化学性の低下をある程度抑えた。
収穫後1力年室温貯蔵後の炊飯特性 (炊飯液の水溶性乾固物量) についても, 脱穀時の高水分と高速脱穀が悪影響を及ぼすことを知った。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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