栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
5, 6-ジアセチルデヒドロ-L-アスコルビン酸とグリシンとの反応による生成色素安定性
石井 謙二桜井 英敏小野 豊樹
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1971 年 24 巻 6 号 p. 350-354

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抄録
(1) 5, 6-ジアセチル・AsAを酸化してAcDHAとし, これをグリシンと反応させて生成した赤色色素の安定性をDHAとグリシンとの生成色素のそれと比較した。
(2) DHA-Gly色素およびAcDHA-Gly色素はいずれもエタノールおよび水溶液中で244~247, 382~387, 510~522mμに吸収を示すが, AcDHA-Gly色素では382~387mμの吸収がDHA-Gly色素のそれより強いのが特徴である。
(3) 両色素とも強酸性, 強アルカリ性では極めて不安定で直ちに退色したが, pH6で最も安定であった。AcDHA-Gly色素はpH 4ではDHA-Gly色素よりはるかに安定であった。しかしpH8ではDHA-Gly色素の方がやや安定性が高かった。
(4) 含水エタノール中ではAcDHA-Gly色素はDHA-Gly色素よりはるかに安定であった。DHA-Gly色素はエタノール濃度が高まるにつれ安定性を増したが, AcDHA-Gly色素ではエタノール濃度差による色素の安定性に薯しい差は認められなかった。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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