(1) 供試された玄米は2.6%の脂質を含み, そのなかの中性脂質, 糖脂質およびリン脂質の割合は77.3: 9.8: 11.5であった。
(2) 玄米の中性脂質として少なくも11種が認められた。そのうちトリグリセリドの量が圧倒的に多かった。
(3) 玄米の糖脂質としては10種以上がみいだされた。そのうち主なものはアシルステリルグリコシド, ステリルグリコシドおよびセレブロシドであった。
(4) 玄米のリン脂質として少なくも9種の存在がみられた。そのうちホスファチジルコリン, ホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジルイノシトールが主なものであった。
(5) 玄米脂質は, 構成脂肪酸として少なくも9種を含んでいた。全脂質の場合, 主な構成脂肪酸は多い方から順にオレイン酸, リノール酸およびパルミチン酸であった。