栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
臥位安静時代謝の逐時的変化について
大中 政治毛利 高二臼井 史生
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1974 年 27 巻 1 号 p. 13-19

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抄録
基礎代謝測定時と同じ条件の下で測定された臥位安静時代謝は体温その他, 身体的機能の日内変動や代謝過程の推移に伴って, どのような逐時的変化を示すかを追求し, 大要次のような結果を得た。
1) 臥位安静時代謝は基礎代謝測定後逐時的に増高し, 16時, 19時および22時にはそれぞれ10%, 17%, および20%の亢進を示した。 この代謝亢進は体温の上昇度やRQの低下度からある程度推定できるが, 19時以後では全血比重や血中ケトン体が増大することにより推定値よりも高い代謝亢進を示した。
これは脱水や脂肪の異常代謝によるストレスなどによるものではないかと考える。
2) 臥位安静時代謝とその逐時的変化を招来すると考えられる諸要因との間には時系列的に次のような相関関係がみられた。
血漿FFA0.98 最高血圧0.82
血中ケトン体0.97 体温0.79
血糖-0.95 全血比重0.99
RQ-0.90 脈拍数0.74
また, 因子分析の結果, 脂肪代謝に関係のある因子と水分代謝に関係のある因子がおのおの独立した因子になっていることがわかった。
3) 16時に150mlのぬるま湯を与えたところ, 一時的に体温が下降し, 血糖および血漿がFFAが上昇し, 全血比重が低下して水分代謝に多少の影響がみられたが, 安静時代謝の逐時的変化過程には大した影響がみられなかった。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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