栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
牛肝臓中のチロシナーゼ阻害物質の部分精製
中川 眸
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1974 年 27 巻 4 号 p. 169-173

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抄録

1) 牛肝臓中からチロシナーゼ阻害物質を抽出し, 105, 000×g遠心分離, 熱処理およびSephadex G-25カラムクロマトグラフィーにより部分精製し, 105, 000×g上清の約50倍に精製した。
2) Sephadex G-25ゲル濾過の結果から阻害物質の分子量は約5,000以下である。
3) 抽出に用いた溶液中のEDTA (10-3M) は, チロシナーゼ活性に影響を与えない。
4) 部分精製したチロシナーゼ阻害物質は260mμに吸収極大, 225mμに吸収極少の紫外吸収スペクトルをもつ。
5) 100℃, 10分間の加熱処理によってチロシナーゼ阻害物質は失活しなかった。
6) PCMBによる影響を受けない。 したがって阻害活性にSH基は関与していない。 7) 牛肝臓から抽出したチロシナーゼ阻害物質とマウス肝臓からのチロシナーゼ阻害物質の性質の類似性について考察した。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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