1) 牛肝臓中からチロシナーゼ阻害物質を抽出し, 105, 000×g遠心分離, 熱処理およびSephadex G-25カラムクロマトグラフィーにより部分精製し, 105, 000×g上清の約50倍に精製した。
2) Sephadex G-25ゲル濾過の結果から阻害物質の分子量は約5,000以下である。
3) 抽出に用いた溶液中のEDTA (10-3M) は, チロシナーゼ活性に影響を与えない。
4) 部分精製したチロシナーゼ阻害物質は260mμに吸収極大, 225mμに吸収極少の紫外吸収スペクトルをもつ。
5) 100℃, 10分間の加熱処理によってチロシナーゼ阻害物質は失活しなかった。
6) PCMBによる影響を受けない。 したがって阻害活性にSH基は関与していない。 7) 牛肝臓から抽出したチロシナーゼ阻害物質とマウス肝臓からのチロシナーゼ阻害物質の性質の類似性について考察した。