栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
27 巻 , 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 笹子 謙治, 小林 弘昌, 津郷 友吉
    1974 年 27 巻 4 号 p. 147-151
    発行日: 1974/05/31
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    東京付近の鶏卵のトコフェロール含量を測定し, またそれに影響する二, 三の要因について検討し次のような結果を得た。
    1) 7か所からの鶏卵40個について, 卵黄1gあたりα-Toc : 19.3±7.6μg, γ-Toc : 10.0±4.0μgであり, ばらつきが大きい。 δ-Tocは平均0.3μgであったが, 0.1μg以下の場合が多かった。 α-Toc/γ-Toc比は1~3で, 平均2であった。
    2) 同一鶏の連続した卵ではTocがほぼ一定であるが, 個体による差が大きい。
    3) Tocを1回経口投与すると, 卵黄のToc含量は投与後5日目で最高となり, その前後を合わせて3日間の卵にTocの移行が著しい。 各Tocを約30mg投与したときの卵黄への移行はそれぞれα-Toc18.0%, γ-Toc4.8%, δ-Toc1.0%であった。
    4) α-Tocアセテート10mgを連日投与すると12日以降卵のα-Tocは一定となり, そのときのα-Tocの移行率は平均18.2%であるが, 個体差が認められた。 5) 殻卵をアルミフォイルで包み, デシケーターに入れ, 15℃で23日間保存したがα-Tocに変化はなかった。
  • 森 一雄, 山本 泰男, 内藤 恵一, 阿武 尚彦
    1974 年 27 巻 4 号 p. 153-159
    発行日: 1974/05/31
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    製パン時, 品質改良を目的として添加されたグルテン乾燥粉末の挙動を知るための手段としてフッドレオメーターの利用を試みたところ, 次のような結果が得られた。
    1) 市販の小麦粉に30%の水を加え, 20分間混合, 20分間放置の後, 厚さ2mmの小麦粉生地とした後, 一定型の試料片にくりぬき, フッドレオメーターによる引張試験を行ない, 引き始めから破断までの応力と伸びの関係を測定した。その結果, 応力, 伸びおよび図形の面積Sは小麦粉のたん白質含量に比例して増加することが認められた。また, この図形の面積Sとパン容積との間には, 比例的な関係が認められた。
    2) 市販の小麦粉から採集したグルテンを酢酸分散法により乾燥粉末とした後, この粉末を小麦粉に添加し, グルテン粉末添加小麦粉生地を調製し, 同様に引張試験したところ, パン容積と, 図形との間には有意な相関関係が認められた。
    また, パン容積および図形面積はグルテン採取に使用した小麦粉が, 強力系であるか, 薄力系であるかによる差は認められなかった。しかし, 強力系あるいは薄力系内で, 小麦粒内の部位に由来すると考えられる差が認められた。
    3) 市販のたん白質の種類を異にした粉末を小麦粉に添加した試料においても, 生地引張試験とパン容積との間には, 比例的関係が認められた。またたん白質の種類を変えて添加を行なった場合, 小麦グルテン粉末以外の試料では, いずれも品質改良効果は認められなかった。
    4) 小麦粉中のたん白を, 熱変性させた試料にグルテン粉末を添加した場合には, 品質改良効果が認められなかったことより, グルテン粉末の品質改良効果は, グルテンたん白質に特異な化学構造のため, 小麦粉中のグルテンたん白分子と乾燥粉末中のたん白分子とが相互作用を起こすことによって発現されるのではないかと考えられた。
  • 宮本 悌次郎, 村田 希久
    1974 年 27 巻 4 号 p. 161-164
    発行日: 1974/05/31
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    昭和47年度国民栄養調査の大阪府下, 個人調査から, 妊婦, 授乳婦を除く18~40歳の女子86例, 本学女子学生の食餌調査から15例, 計101例についてその1日の摂取食品からニコチン酸およびトリプトファンの摂取量を計算によって求めた。 その結果ニコチン酸摂取量は17.0±5.48mg/day, 8.21±2.14mg/1, 000kcal, ニコチン酸当量 (ニコチン酸+1/60トリプトファン) 摂取量は33.1±9.49mg/day, 15.9±3,75mg/1,000kcalで, 現行の所要量からみて不足していると思われる例はほとんどなかった。 またニコチン酸およびニコチン酸当量の1日当たりの摂取量はたん白質および熱量の摂取量と相関した。
  • 上崎 武男, 後藤 たへ
    1974 年 27 巻 4 号 p. 165-167
    発行日: 1974/05/31
    公開日: 2010/03/26
    ジャーナル フリー
    109Cdをトレーサーとして用いてカドミウムとグルタミン酸との間に生成する錯体について濾紙電気泳動法により研究した。 得られた結果をすでに報告されているグルタミン酸とカドミウムとの間に生成する錯体の生成定数の値と比較し考察を行なった。 たとえばグルタミン酸 (H2L) 濃度0.1M pH6の溶液中において, カドミウムの化学種の組成はCd2+52.42%, CdL46.75%, CdL22-0.83%であるという結果が得られた。 このことはイカ肝臓中のCdが酸性アミノ酸のグルタミン酸とcomplexを形成し, 白ネズミの発育・栄養状態にほとんど悪影響を及ぼさなかった一要因と推察される。
  • 中川 眸
    1974 年 27 巻 4 号 p. 169-173
    発行日: 1974/05/31
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1) 牛肝臓中からチロシナーゼ阻害物質を抽出し, 105, 000×g遠心分離, 熱処理およびSephadex G-25カラムクロマトグラフィーにより部分精製し, 105, 000×g上清の約50倍に精製した。
    2) Sephadex G-25ゲル濾過の結果から阻害物質の分子量は約5,000以下である。
    3) 抽出に用いた溶液中のEDTA (10-3M) は, チロシナーゼ活性に影響を与えない。
    4) 部分精製したチロシナーゼ阻害物質は260mμに吸収極大, 225mμに吸収極少の紫外吸収スペクトルをもつ。
    5) 100℃, 10分間の加熱処理によってチロシナーゼ阻害物質は失活しなかった。
    6) PCMBによる影響を受けない。 したがって阻害活性にSH基は関与していない。 7) 牛肝臓から抽出したチロシナーゼ阻害物質とマウス肝臓からのチロシナーゼ阻害物質の性質の類似性について考察した。
  • 岩見 玉子, 鈴木 和彦, 岡田 美津子
    1974 年 27 巻 4 号 p. 175-180
    発行日: 1974/05/31
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    雄ラットを高たん白ビタミンB6補足自由摂食群と絶食群, B6欠乏自由摂食群と絶食群の4群に分け, B6欠乏の影響, および摂食条件のちがいが, 肝脂質および肝脂肪酸組成にどのような影響を与えるかを検討した結果, つぎのような成績を得た。
    1) B6欠乏ラットは, B6補足ラットにくらべて, かなり成長が阻害されており, 体重あたりの肝重量が大きく, また, 肝脂質含量もB6欠乏ラットにおいて, B6補足ラットのほぼ2倍に上昇し, グリセライドとコレステロールの増量を伴う脂肪肝を呈した。 B6補足ラットの場合, 19時間絶食にすると肝重量が有意に減少し, また, 肝総脂質量が1/2に減少したが, 肝脂質含量 (%) には変化がみられなかった。 これに対して, B6欠乏ラットは, 19時間絶食にすると肝重量, 肝総脂質量, 肝脂質含量 (%) がやや増加傾向を示したが, 有意差はみられなかった。
    2) 肝脂肪酸組成は, B6補足ラットの自由摂食群と絶食群を比較すると, ほとんどの脂肪酸において, 有意な変化を示した。 すなわち, C16: 0, C16: 1, C18: 1は有意に減少し, C18: 0, C18: 2, C20: 4は有意な増加を示した。 B6欠乏ラットの場合, いずれの脂肪酸においても, 絶食による有意な変化はみられなかった。 このことは, B6欠乏時には, 脂肪酸の酸化が障害されているのではないかということを示唆している。 なお, アラキドン酸は, B6補足ラットの絶食時にのみ有意に高い値を示している。 paired feedingの場合, B6補足ラットは常に空腹状態に陥っているために, 正常状態に比してアラキドン酸が増加し, その結果, B6欠乏ラットのアラキドン酸含量との間に差が生じる結果を招いている可能性がある。
    3) 肝血液を除く全体脂肪の脂肪酸組成については, B6欠乏ラットのアラキドン酸含量が著明に高値を示した。
  • 渡辺 幸雄, 綾野 雄幸
    1974 年 27 巻 4 号 p. 181-183
    発行日: 1974/05/31
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    10種類の香辛料から水ならびにエタノール可溶区分を調製し, その抽出液の抗酸化性を粉末香辛料のそれと比較検討するとともにα-トコフェロールとの併用効果をラードについて検討した。
    用いた粉末香辛料はすべて抗酸化性を示したが, なかでもローズマリーおよびセイジは顕著な抗酸化性を示した。これらの香辛料の水可溶区分の抗酸化性はクローブを除いてほとんど認められなかった。エタノール可溶区分では, 粉末香辛料の場合と同様ローズマリーおよびセイジはとくにすぐれた抗酸化性を示した。またエタノール可溶区分の抗酸化性は粉末香辛料のそれと比較してそれほど減ぜず, 香辛料の抗酸化成分は大部分エタノールで抽出されるものと考えられる。α-トコフェロールとの併用では, 水可溶区分は比較的相乗効果が認められたが, エタノ-ル可溶区分ではメースおよびクローブのみが効果を示した。
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