雄ラットを高たん白ビタミンB
6補足自由摂食群と絶食群, B
6欠乏自由摂食群と絶食群の4群に分け, B
6欠乏の影響, および摂食条件のちがいが, 肝脂質および肝脂肪酸組成にどのような影響を与えるかを検討した結果, つぎのような成績を得た。
1) B
6欠乏ラットは, B
6補足ラットにくらべて, かなり成長が阻害されており, 体重あたりの肝重量が大きく, また, 肝脂質含量もB
6欠乏ラットにおいて, B
6補足ラットのほぼ2倍に上昇し, グリセライドとコレステロールの増量を伴う脂肪肝を呈した。 B
6補足ラットの場合, 19時間絶食にすると肝重量が有意に減少し, また, 肝総脂質量が1/2に減少したが, 肝脂質含量 (%) には変化がみられなかった。 これに対して, B
6欠乏ラットは, 19時間絶食にすると肝重量, 肝総脂質量, 肝脂質含量 (%) がやや増加傾向を示したが, 有意差はみられなかった。
2) 肝脂肪酸組成は, B
6補足ラットの自由摂食群と絶食群を比較すると, ほとんどの脂肪酸において, 有意な変化を示した。 すなわち, C
16: 0, C
16: 1, C
18: 1は有意に減少し, C
18: 0, C
18: 2, C
20: 4は有意な増加を示した。 B
6欠乏ラットの場合, いずれの脂肪酸においても, 絶食による有意な変化はみられなかった。 このことは, B
6欠乏時には, 脂肪酸の酸化が障害されているのではないかということを示唆している。 なお, アラキドン酸は, B
6補足ラットの絶食時にのみ有意に高い値を示している。 paired feedingの場合, B
6補足ラットは常に空腹状態に陥っているために, 正常状態に比してアラキドン酸が増加し, その結果, B
6欠乏ラットのアラキドン酸含量との間に差が生じる結果を招いている可能性がある。
3) 肝血液を除く全体脂肪の脂肪酸組成については, B
6欠乏ラットのアラキドン酸含量が著明に高値を示した。
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