栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
セボレアを発生した白ネズミの表皮および肝臓の脂質に関する研究
戸谷 洋一郎戸谷 永生松尾 登
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1975 年 28 巻 2 号 p. 79-86

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抄録
白ネズミにオレイルオレエート, スクアレン, スクアランを, 10%または15%基礎飼料に混合投与してセボレアを発生させた。
1) オレイルオレエートを与えてセボレアを発生した白ネズミの表皮エーテル抽出物 (皮下脂肪をも含む), 肝臓エーテル抽出物について, 化学的性状測定, TLC, IR, GLC分析を行なったところオレイルオレエートの存在を確認した。とくに, 上記エーテル抽出物のメタノール不溶部にオレイルオレエートが良く分離される。
2) オレイルオレエートを与えてセボレアを発生した白ネズミに対して, その投与を中止しエチルリノレート投与にかえて飼育したところ, 次第にセボレア症状を回復した。セボレアは体組織に悪い影響を与えず, 代謝が不良であることによるものと推察される。
3) スクアレンを与えてセポレアを発生した白ネズミの体表面から分泌したエーテル抽出物には, スクアレンが含まれることが認められた。
4) スクアランを与えてセボレアを発生した白ネズミに対してその投与を中止し, 市販の固型飼料に切換えたところ, セボレア症状の回復をみた。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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