栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
哺乳動物の肝臓エチルアルコール代謝酵素系におよぼすイノシン投与の影響
一寸木 宗一菅原 龍幸戸川 美奈子前川 昭男鈴木 隆雄
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1975 年 28 巻 8 号 p. 425-430

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抄録

各種哺乳動物の肝臓アルコール酸化酵素系のADHase, ALDHase活性に対しHx-R添加の影響を検討した結果,
1. 白ネズミ, 牛, 豚肝臓ホモジネートを用いた実験では, エタノールを基質としたADHase活性に対してHx-R添加が活性増加を示す所見が得られた。アセトアルデヒドを基質としたALDHase活性に対しては, 顕著な影響は認められなかった。
2. 牛肝臓および豚肝臓の部分的に精製したADHaseおよびALDHaseを用いHx-R添加効果を調べたところ, 肝臓ホモジネートを用いた場合と同様に, ADHase活性は増加したが, ALDHase活性への影響は認められなかった。
3. 白ネズミにHx-Rを腹腔注射しその影響を検討したところ, 2.5hr経過後すでにADHase活性の増加が認められ, また投与量の検討ではHx-R 5mg/ratの投与で, ADHase活性増加の傾向が認められた。
4. 白ネズミに市販酒精飲料を経口投与, 同時にHx-Rを腹腔注射し, 白ネズミ血中アルコール濃度を測定したところ, Hx-R投与群の血中アルコール濃度が対照群に比較して低下する傾向が得られた。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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