Wistar系のラットを一定期間オリエンタル固型食で飼育後去勢を行ない, アルコールの大量投与による脂肪肝発生に対して, 各種性ホルモン投与がどのような影響をもたらすかを検討して次のような結果を得た。
1) テストステロン投与は睾丸摘出群において脂肪肝の増強をきたし, また, アルコール投与群においても去勢による脂肪肝発生の抑制を回復した。卵巣摘出群ではアルコール性脂肪肝の抑制が見うけられたが, その抑制は卵胞ホルモンで回復した。
2) 睾丸摘出群で減少したNEFAは, テストステロン投与で雄性無処置対照群の値に近づいた。また黄体ホルモン投与により, 雌性ラットの血中NEFAは上昇した。
3) 肝グリコーゲンは, アルコール投与によりいずれも低下した。
4) 血中グルコースは, アルコール投与によりいずれも低下を示した。