栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
クロレラ細胞に対する放線菌の好アルカリプロテアーゼの作用
長谷川 節佐野 利彦高田 周三奥田 正男鶴 大典
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1977 年 30 巻 4 号 p. 201-207

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抄録

1) 好アルカリ性放線菌の生産する好アルカリ性プロテアーゼを20~50mM苛性ソーダ中 (pH 12~12.5) で乾燥クロレラ細胞に作用させると細胞たん白質の80%程度が可溶化され, 遠心分離 (7, 000rpm, 20分) の上澄に認められる。
2) この上澄中の主成分は分子量2, 000前後のグルタミン酸含量の高いポリペプタイドである。
3) 電子顕微鏡的観察では細胞壁の崩壊はあまり認められない。おそらく苛性ソーダの存在によつて細胞内たん白質の可溶化が促進されSA-プロテアーゼによって容易に消化, 溶出されたものと思われる。
4) 上澄画分について消化率試験を行なった結果見かけ上93.4%という高い消化率が認められた。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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