栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
動物性食品の脂質成分に及ぼす調理法の影響
古賀 菱子菅野 道廣寺澤 洋子
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1978 年 31 巻 6 号 p. 543-550

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抄録

動脈硬化性疾患の予防または治療食に対し, 動物性食品の望ましい調理法に関し, 基礎的知見を得るため, 牛肉, 豚肉, 魚肉およびそれらとPromic TB-6の混合材料 (1: 1, w/w) を用い, 9種の調理を行なった。水分量, 粗脂肪量, コレステロール量および脂肪酸組成を測定し, 調理前後における変化を検討したが, 調理製品においては次のとおりであった。
1) 油を用いない調理法のうち, 粗脂肪およびコレステロール量がある程度の減少を示したものは高温調理および乾熱調理に属するgrillingおよびroastingであった。
2) 調理油を用いる場合, deep fat fryingおよび6時間油浸にした材料をbroilするなど, 調理後の水分量の減少および移行油量が多いとみられるものでは, コレステロール量および飽和脂肪酸の割合の減少, 高度不飽和脂肪酸の割合の増加が認められた。
3) 調理油との接触面積が拡大されるような切断法 (たとえばミンチ状) の採用, あるいは抱油力が高い材料 (たとえば植物性たん白質) の併用は植物性油のかなりの移行が期待された。
4) これらの変化は魚肉に次いで牛肉において顕著であり, 豚肉で最も低かった。また, サンフラワー油よりサフラワー油においてわずかながら顕著であった。
一方, 調理製品中の窒素あたりの値は粗脂肪およびコレステロールともに, 全試験区が対照区より低値を示した。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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