栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
小腸粘膜における果糖の輸送について
片山 (須川) 洋子森田 信子西坂 明美
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 32 巻 1 号 p. 35-39

詳細
抄録
小腸のeverted sacにおける果糖の輸送が白ネズミを高果糖食で飼育した場合に増大することを観察した。
1) 5週齢のSprague Dawley系雌白ネズミを高果糖食または高ブドウ糖食で2週間meal-feeding (9時~12時) した。
2) 小腸のeverted sacを作製し, 反応液中に1mM果糖, 20mM NaFを加えて37℃でincubationし, everted sacへの果糖のとりこみを経時的に測定した。
3) everted sacへの果糖のとりこみは, 高果糖食で飼育された白ネズミでは高ブドウ糖食のものよりも大きい値を示した。
4) NaFの添加によってeverted sac中のATPase活性が高果糖食群では低下した。とくにNa+, K+-ATPaseの低下が著しかった。
5) 反応液に2, 4-dinitrophenolを添加すると, everted sacへの果糖のとりこみが減少した。
著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top