1980 年 33 巻 4 号 p. 269-272
脂質過酸化反応におよぼす食餌性Fe2+の影響をみるために, コーンオイル, コーンオイル0.2% FeCl2, 牛脂および牛脂0.2% FeCl2の4種の飼料によってラットを11週間飼育した結果, コーンオイル群のほうが牛脂群よりわずかに生育がよく, Fe2+投与によって血清トリグリセリドおよび体脂肪は有意に増加し, TBA価は肝, 血清とも増加した。また血清トリグリセリド, 血清コレステロール値は牛脂群のほうがコーンオイル群より有意に高く, 肝TBA価と肝総脂質の関係はr=0.43となり, 肝TBA価は牛脂0.2% FeCl2投与区が最高となった。血清TBA価と体脂肪の間には有意の相関性 (r=0.52) が認められたが, 肝TBA価と血清TBA価の間はr=-0.19, 肝TBA価と肝ビタミンEの関係はr=0.37で有意の相関性は認められなかった。