1954 年 6 巻 6 号 p. 265-267
(1) 合成l-アスコルビン酸に對する合成ビタミンB2の量が少く煮沸時間10分間以内の場合はB2の添加はl-AAの酸化には殆んど影響なくB2の量が多く且つ煮沸時間が10分間以上の場合はl-AAの酸化を促進した。
(2) l-AAに對するのB2量が少く且つ煮沸時間が10分間以内ならばNaClの添加はその量に關係なくl-AAの残存率には殆んど影響しなかつたが, 残の量が多くなり且つ煮沸時間が30分間以上となればl-AAの酸化を著しく促進した。
(3) キャベツ水煮の際に合成B2を加えるとB2の量が何れの場合にもCの残存率は著しく小さくなつた。
(4) キャベツ水煮の際に合成B2及びNaClを加えると其等の濃度の高い程キャベツのCの残存率は小さくなつた。また, この際にはNaClの濃度が大きくなるにつれて煮汁のpHは小さくなつた。
(5) 蔬菜水煮の際にはB2及びB2とNaClとは蔬菜のビタミンCの損失防止には殆んど無効であろうと考えられた。