栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
柿の食品化學的研究 (第2報)
不消化物質に就いて
北原 増雄竹内 良光
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1954 年 7 巻 3 号 p. 118-120

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抄録

柿の不消化物質を檢索する目的で可食部の一般成分を調査した後, 蛋白質と炭水化物の消化試驗を行い, 更に酵素處理により不消化物質を調製してその組成と性質を調べた。
1. 柿果の主要成分は糖分で, 葡萄糖最も多く果糖これに弐ぎ, 甘蔗糖の少量を含む。
2. 蛋白質の消化率は極めて低い。
3. 炭水化物中消化されるものは可溶性糖として初めから含まれるもの以外には極めて少ない。
4. 不消化物質の主要なものは粗繊維と粗蛋白質でその兩者を合せると50%に達する。
5. 不消化物質のHCl及びNaOHに對する溶解度を比較すると, NaOHの方が遙かに大きい。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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