栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
味噌の熟成に伴う遊離アミノ酸の変化に関する研究 (第2報)
ビタミンB2及びカルシウム添加の影響について
松下 アヤコ山田 晃
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1956 年 9 巻 3 号 p. 123-130

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抄録

ビタミンB2及びコロカソルを添加して製麹した米麹及び白味噌の熟成に伴う遊離アミノ酸の変化状況をPaper partition chromatograyhyにより又遊離アミノ態窒素の含量の変化をVan Slikeのガス分析法によつて調べた。ビタミンB2を添加して製麹したものは無添加のものより熟成が早く遊離アミノ酸の種類もアミノ態窒素の量も多くなる。この米麹を味噌に仕込んだ後の熟成状況は無添加のものとくらべて大差を示さない。コロカルソを添加して製麹したものは無添加のものに比して熟成が稍おそいが味噌に仕込んで味噌が熟成近くなればアミノ酸の種類に大差を示さなくなる。熟成した供試白味噌の各々に共通して存在するアミノ酸はGlutamic acid, Serine, Alanine, Histidine, Tyrosine, Valine, Phenylalanine, Leucine, Hydroxylysine, Lisine, Threonine, Glycine, β-Alanine, Arginine, の14種 類で熟成の途中で出現するアミノ酸はGlycine, β-Alanine, Arginine, の3種類で, 途中で非常に少くなるか, 又は消失するアミノ酸はAspartic acid, Proline, Cystineの3種類である。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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