目的:多様な歩行課題という可変性の要素を含んだ高強度の歩行練習は歩行機能の改善が大きいことが示されているが、本邦での実践報告は見当たらない。この歩行練習を先行研究は10週間で合計40回実施しているのに対し、本邦の365日体制であれば同じ回数を約半分の6週間で実施可能である。今回、亜急性期脳卒中患者に対し同じ回数を約半分の6週間で実施した結果を報告する。
方法:症例は右脳梗塞後93病日目の50歳台女性。希望は屋外見守り歩行であった。目標達成のために歩行持久性の改善が必要であると推察し、可変的な中高強度の歩行練習を40日間連続で実施した。
結果:6分間歩行距離は臨床的に意義のある最小変化量以上の改善を認め、屋外歩行見守りという希望は達成できたが、先行研究と同程度の改善には至らなかった。
結論:本練習を約半分の期間で同じ回数実践しても臨床的に意義のある最小変化量以上に歩行機能が改善する可能性があることを示した。