神経理学療法学
Online ISSN : 2758-0458
症例報告
被殻出血患者に対し、Berg Balance Scale Keyformを用いた理学療法の実践:症例報告
海津 陽一大塚 勇輝田屋 七海宮田 一弘
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2023 年 3 巻 1 号 p. 10-19

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抄録

目的:本症例報告の目的は、バランス機能低下を認めた症例に対し、Berg Balance Scale(BBS) Keyformを用いた理学療法の経過について記述することであった。

症例:右被殻出血後にバランス機能低下を認め、保存加療を受けた50歳代の男性である。

方法:BBS Keyformを使用した評価は49〜91病日まで2週間に1度実施し、至適難易度のバランス課題の選択を行った。また、選択された課題に対する問題点抽出、統合と解釈により介入内容を再検討した。

結果:BBS Keyformを使用した介入開始1カ月後(77病日)、BBSは49病日時点の41点から52点へと11点の向上を認め、補装具を用いず歩行自立となった。91病日のBBS測定では56点と満点に達し、退院時評価(113病日)では、日常生活動作も全自立であった。また、Keyformの使用は理学療法の内容や時間配分に影響を与え、患者の主観的なバランス改善の認識も得られた。

結論:BBS Keyformを用いた理学療法の実践方法と治療経過を記述し、バランス機能の改善や理学療法の内容や時間配分の変化が認められた。

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© 2023 日本神経理学療法学会
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