神経理学療法学
Online ISSN : 2758-0458
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研究論文(原著)
  • 田中 勝人, 田中 健太, 巨瀬 拓也, 髙橋 雅幸, 今村 一郎, 釜㟢 大志郎, 大田 尾浩
    原稿種別: 研究論文(原著)
    2025 年5 巻1 号 p. 1-9
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2026/04/01
    ジャーナル オープンアクセス

    目的:急性期脳卒中片麻痺患者において座位での下肢荷重力が発症後2週時の歩行自立を予測できるのかを検討した。

    方法:対象は、急性期脳卒中片麻痺患者63名[75(69-84)歳]であった。初期評価時に座位での下肢荷重力を測定した。歩行能力は発症後2週時に機能的自立度評価法の運動項目(functional independence measure motor items : FIM-M)で評価した。歩行自立の可否を従属変数とした2項ロジスティック回帰分析を実施し、予測に有効なカットオフ値を算出した。

    結果:歩行自立を予測する因子は、座位での下肢荷重力であった[調整オッズ比:0.89(0.81-0.98)]。歩行の自立を予測するカットオフ値は22 kg(曲線下面積=0.88)であった。

    結語:座位での下肢荷重力は、急性期脳卒中片麻痺患者において、発症後2週時の歩行自立を予測する有用な指標である。

  • 渡壁 利考, 松藤 勝太
    原稿種別: 研究論文(原著)
    2025 年5 巻1 号 p. 10-18
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2026/04/01
    ジャーナル オープンアクセス

    目的:本研究の目的は、脳梗塞急性期の高齢患者における側頭筋の厚さ(temporal muscle thickness, TMT)とGeriatric Nutritional Risk Index (GNRI)で評価した低栄養状態との関連を検証し、低栄養状態を予測するTMTを明らかにすることである。

    方法:デザインは横断研究で、対象は脳梗塞急性期の65歳以上の患者とした。対象者をGNRIが92未満を低栄養群、それ以上の場合を正常栄養群とした。TMTとGNRIの関連、低栄養状態に対するTMTのカットオフ値の算出、および、そのカットオフ値が低栄養状態に関連するのかを検証した。

    結果:解析対象は270人であり、低栄養群は61人(22.6%)であった。低栄養群のTMTは正常栄養群より有意に小さく、多変量調整線形回帰分析でTMTはGNRIと独立して関連していた。また、低栄養状態に対するTMTのカットオフ値は1.67 mm/m2で、多変量ロジスティック回帰分析で、そのカットオフ値は共変量とは独立して低栄養状態に関連していた。

    結論:脳梗塞急性期の高齢患者における低栄養状態に対するTMTのカットオフ値は1.67 mm/m2で、そのカットオフ値は低栄養状態と関連し、低栄養状態の有無を予測する方法としてTMTが有効である可能性が示唆された。

症例報告
  • 尾澤 勇海, 板東 杏太, 加藤 太郎, 宮田 一弘, 西田 大輔, 山川 徹, 髙橋 祐二, 原 貴敏
    原稿種別: 症例報告
    2025 年5 巻1 号 p. 19-31
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2026/04/01
    ジャーナル オープンアクセス

    序論:脊髄小脳失調症者のバランス障害に対してBalance Evaluation Systems Test(BESTest)のKeyformを用いて理学療法を実践した。Keyformの臨床応用について、症例の経過及び結果とともに報告する。

    症例:対象は70歳代前半の男性で、診断は経過23年の脊髄小脳失調症31型であった。主な症状は歩行時のふらつきで、重要な臨床所見としてバランス障害を認めていた。

    理学療法治療:BESTestのKeyformを用いて、その結果を基に、症例と情報共有した上で目標設定を行い、優先的な治療内容を立案し、2週間の短期集中リハビリテーション治療を実施した。

    治療結果:BESTestの総得点、Keyformで抽出した一部の項目及び同じSection内の他項目が改善した。また、Keyformには含まれていないSectionの一部が改善した。

    結論:脊髄小脳失調症者に対するKeyformの活用は、具体的な目標設定に向けた症例との共有意思決定に役立ち、優先的な治療内容の立案が可能となった。Keyformから考えられた治療を実施した結果、特定の項目のバランス能力向上に寄与した可能性が示唆された。

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