神経理学療法学
Online ISSN : 2758-0458
実践報告
運動失調症における患者報告型アウトカムとしてのGoal Attainment Scale実践ガイド
平松 佑一松木 明好藤本 宏明宮井 一郎
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 4 巻 1 号 p. 33-45

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抄録

患者報告型アウトカム(PRO:Patient-Reported Outcome)は、患者の声を日常診療や臨床試験のアウトカムとして用いることを可能にする。リハビリテーション医療において、定型化された項目で構成される従来のアウトカム評価のみでは、患者個人のライフスタイルや希望に基づいた「意味のある目標(Meaningful goal)」や「意味のある変化(Meaningful change)」を考慮した目標設定や効果判定が難しいことがある。PROの一つであるGoal Attainment Scale(GAS)は、患者個人における評価項目として優先度の高い課題を自由に選択して、目標達成度を数値化することを可能にする。一方で、患者・家族および医療者によって設定される評価基準(目標達成度)の自由度の高さが尺度特性(妥当性、信頼性、反応性)に影響すること、使用方法が統一されていないことが日常診療におけるGASの活用を難しくさせている。本稿では、GASにおける目標設定と効果判定の手順および運動失調症における活用事例を提示することで、GASの使用方法を標準化することを援助するための実践ガイドを提供する。

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© 2025 日本神経理学療法学会

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