2025 年 5 巻 1 号 p. 19-31
序論:脊髄小脳失調症者のバランス障害に対してBalance Evaluation Systems Test(BESTest)のKeyformを用いて理学療法を実践した。Keyformの臨床応用について、症例の経過及び結果とともに報告する。
症例:対象は70歳代前半の男性で、診断は経過23年の脊髄小脳失調症31型であった。主な症状は歩行時のふらつきで、重要な臨床所見としてバランス障害を認めていた。
理学療法治療:BESTestのKeyformを用いて、その結果を基に、症例と情報共有した上で目標設定を行い、優先的な治療内容を立案し、2週間の短期集中リハビリテーション治療を実施した。
治療結果:BESTestの総得点、Keyformで抽出した一部の項目及び同じSection内の他項目が改善した。また、Keyformには含まれていないSectionの一部が改善した。
結論:脊髄小脳失調症者に対するKeyformの活用は、具体的な目標設定に向けた症例との共有意思決定に役立ち、優先的な治療内容の立案が可能となった。Keyformから考えられた治療を実施した結果、特定の項目のバランス能力向上に寄与した可能性が示唆された。