2025 年 5 巻 1 号 p. 10-18
目的:本研究の目的は、脳梗塞急性期の高齢患者における側頭筋の厚さ(temporal muscle thickness, TMT)とGeriatric Nutritional Risk Index (GNRI)で評価した低栄養状態との関連を検証し、低栄養状態を予測するTMTを明らかにすることである。
方法:デザインは横断研究で、対象は脳梗塞急性期の65歳以上の患者とした。対象者をGNRIが92未満を低栄養群、それ以上の場合を正常栄養群とした。TMTとGNRIの関連、低栄養状態に対するTMTのカットオフ値の算出、および、そのカットオフ値が低栄養状態に関連するのかを検証した。
結果:解析対象は270人であり、低栄養群は61人(22.6%)であった。低栄養群のTMTは正常栄養群より有意に小さく、多変量調整線形回帰分析でTMTはGNRIと独立して関連していた。また、低栄養状態に対するTMTのカットオフ値は1.67 mm/m2で、多変量ロジスティック回帰分析で、そのカットオフ値は共変量とは独立して低栄養状態に関連していた。
結論:脳梗塞急性期の高齢患者における低栄養状態に対するTMTのカットオフ値は1.67 mm/m2で、そのカットオフ値は低栄養状態と関連し、低栄養状態の有無を予測する方法としてTMTが有効である可能性が示唆された。