2023 年 40 巻 1 号 p. 50-53
[目的]視神経脊髄炎スペクトラム障害(neuromyelitis optica spectrum disorder:NMOSD)の急性期における血液浄化療法(plasma pheresis:PP)の現状と有効性を明らかにする.
[方法]2008年から2020年までに当院に入院した抗アクアポリン4(AQP4)抗体陽性NMOSD 7例について後方視的な臨床的検討を行った.
[結果]Expanded Disability Status Scale(EDSS)−2.0と最も改善効果を認めた1例はEDSS 8.5と重症ではあったが,比較的若年(52歳)で,発症5日以内にPPが導入されていた.EDSS−1.0の改善を示した2例は発症からPP導入まで平均20日を経過していたが,これらは比較的若年(平均48歳)であり,軽症例(平均EDSS 2.5)であった.一方,EDSS<1.0の改善しか認めなかった4例は高齢(平均75.3歳)かつ重症例(平均EDSS 9.0)で発症からPP導入まで平均24日が経過していた.
[結論]PPは重症であっても超早期の導入が有効であり,若年,軽症例では亜急性期でも一定の改善効果を示すと考えられた.