神経治療学
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症例報告
Naproxen誘発性無菌性髄膜炎を認めたsynovitis–acne–pustulosis–hyperostosis–osteitis(SAPHO)症候群の1例
岩岡 和博工藤 正裕鈴木 隆史板橋 亮前田 哲也
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2023 年 40 巻 5 号 p. 734-738

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抄録

症例は33歳の女性.近医にてsynovitis–acne–pustulosis–hyperostosis–osteitis(SAPHO)症候群の診断のもと,発熱や頭痛に対する対症療法としてnaproxenを処方されていた.発症当日,naproxenを頓服した後,頭部全体の非拍動性頭痛が出現し緩徐に悪化.数日の経過で意識障害,悪心,嘔吐が出現したため救急外来を受診した.神経学的には,変動する意識障害,jolt accentuationを認めた.血液検査で高度炎症反応,脳脊髄液検査では多型核球優位の増多,蛋白高値を認めた.細菌性髄膜炎を疑い抗菌薬などで加療を行い,naproxenは中止とした.第3病日には臨床症状は著明に改善した.発症前の内服歴,naproxen中止後の臨床徴候の著明な改善,ならびに除外診断よりnaproxen誘発性無菌性髄膜炎と診断した.非ステロイド性抗炎症薬は無菌性髄膜炎の原因となりうることが知られ,広く注意喚起されているが,naproxenによる無菌性髄膜炎の症例報告は本邦では稀少である.SAPHO症候群に本症が合併した点も病態機序を考える上で重要と考え,文献的考察を加え報告する.

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© 2023 日本神経治療学会
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